トップへデンマークバナ

デュアハウン

 コペンハーゲン中央駅からエストーのC線各停で約25分。終点のクランペンボーという小さな駅(写真左)で降りる。駅舎を出てみてびっくり。な〜んにもない。日本のように、駅の周辺にアパートや商店街があるわけでもなく、案内地図もなく、駅員もおらず、ひっそりとした道だけが続いてる。車だって通ることはない。それはそれは不安になるばかりの気持ちを押さえて見回すと、遠くの木の陰にわずかに建物が見えるだけ。これがきっとコペンハーゲン郊外の普通の佇まいなんだろうけど、狭い日本に慣れているえぞりすにとっては衝撃的なほど理解不能の過疎状態である。けど、外国人は勿論、地元の人だってほとんど訪れることがないこの場所に、どういうわけか北欧最大の遊園地があったりするから面白い。

森と駅周辺

 クランペンボーの駅舎を出て右に行くとエアスンド海峡を見渡せる海岸(写真下左)、左に行くとデュアハウンの森だ。道を少し隔てたところに観光客用の馬車がタクシーよろしく並んでいる(写真下)。これを見てようやくえぞりすは訳もなく安心。もともとこのあたりは森が大きく広がっていて、王室が狩にしばしば利用した場所。16世紀のクリスチャン5世に始まり、同6世にいたっては狩用の館として丘の上にエレミターシュ城を建築させたほどだ。今でも奈良公園よろしく、草を食べる放し飼いの鹿さんを見かけることがある。深くて静かな森の中を散策して浮き世のことは忘れてみたい。



バッケン遊園地

 そんな森の中に突然あったバッケン遊園地。なんでもできたのが1746年と言うから驚き。遊園地の元祖と思っていたコペンハーゲンのチヴォリでさえ、ここを参考にしたと言われているんだって。誰でも出入りは無料で自由。乗り物や見せ物に対して各々お金を払う方式。さっそく中に入って見ると、意外に広い園内に、これまた意外に人が多い。何とも言えずひなびた感じは浅草花屋敷も真っ青で、絶叫マシンもあることはあるんだけど、なぜか最近経営に行き詰まった神奈川辺りの某何とかランドを彷彿とさせる。けど、そんな日本での不安要因はデンマークでは通用しない。彼らはこの雰囲気を日本人がすっかり忘れた侘び寂のように、理解しつくし味わい尽くすことで充分楽しんでるのだから。


 入口のすぐ近くにはパントマイムやコントを行っているテント小屋。乗り物に乗って建物の中を移動しながら見学するサファリ。寒々と走る急流滑り。野外ステージではオリジナルのぬいぐるみキャラクターが歌って踊っての劇を展開中。声とキャラがあっていないし、勿論言葉は不明。乗物の中でもっとも有名なのが、世界最古のジェットコースター(写真最下右)。木製でトロッコのようなそれは、最後部に乗った係員がブレーキをかけながら(写真最下左)今日も走っている。でも、ぶらぶら歩きながらそばかすだらけの風船を握った地元の子供をみていると、なんと幸せな顔をしていることか。遊園地はこうでなければいけないはずだ。ここで日本が間違っていることを確信したえぞりすだった(謎)。

(C)2002 K.Uga This page is Japanese only