ビムベトカの岩石保護区放浪記
- in ビムベトカ
- インド共和国
インドは広い。
そんなもんで見どころも多いんだけど、世界遺産になりながらほとんど見向きされていないものが結構ある。ビムベトカもその一つで、2003年に世界遺産登録されたものの、いまだに観光客はごくまばら。マディヤ・プラデーシュ州の州都ボパールという、観光ルートから外れた都市の、さらにそこからガタガタ道を南東に40kmという場所だから仕方ないかもしれない。日本では地名もビンベットカとかビームベートカーの丘とかと表記がまちまちだし、岩石遮蔽物群だのロックシェルターだの言われるので、いったい何があるのかピンとこないこともあるのだろう。
ここは観光するには容赦なく何も無いところだ。バスは近くまで行かないし、一番近いバス停がある幹線道からは、砂漠のようなところを軽い登り道で1時間近く歩く。3月末でも気温は40度。その間だけでなく遺跡の中を含め、売店はゼロなので、水と食糧を持っていかないと死ぬ(笑)。で、ようやくたどり着いたのが入口だ。
場所はデカン高原の北の端でビンディアと呼ばれる山脈のふもとになる。ここいらでは風化した岩石で囲われたような自然の洞窟が多くて、かつてはそこにたくさんの人が暮らしていたらしい。その跡が400か所ほどある、かなりの広範囲が丸ごと世界遺産なのだが、観光客が入ることのできる場所はそのうちのわずかな部分だけ。
長い間暮らす我が家。ついつい退屈まぎれに壁に落書きを... その結果生まれたのが壁画アートだ。古いものは1万年以上前からあるようで、代々重ね書きされたり塗り直しされた結果、現在まで残ってるのだとか。つまりはこれがこの世界遺産の売り?なんだな。
天然顔料の赤い色で塗られたものには、1万年前ぐらい経過した絵画が多数あるらしい。そのほか白かったり緑だったり、描き方も写実的なものから絵文字のように省略されたものまで様々。書かれた年代による違いなんだろう。内容は狩りや牧畜生活、戦いがほとんど。近郊の村にはいまだに壁画に描かれた内容に近い風習が存在するらしいので、そのあたりが文化遺産になった理由でもあるのだろう。
長大な時間の経過を感じながらじっと壁画に見とれてると、ぴゅっと何か飛んだ...... 蝙蝠だ。ぼちぼちお時間のようで......。 気の小さなえぞりすは蝙蝠も怖い(笑)。それにしても見学中に、人っ子1人現れず。これでも最近はかなり人の気配が多くなったという話なんだけど、どんどん人が来るようになって、いずれはガラスと鉄柵で囲われるのだろうなぁ。
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