大草原放浪記
- in 草原の風景
- モンゴル
ウランバートルの街を一歩出ると、ホントに突然、どこまでも続く草原にぶつかる。街外れには巨大な火力発電所や工場らしきものが点在し、オイオイって感じで煙をもくもく吐き出す風景も見ることになる。これはこれで早く何とかして欲しいものだが... 何もない草原を進む道は、先が見えないのでどう続いているのか不安になってしまうぐらい。しかもほとんどが舗装ではない悪路だ。腰には悪かろう。そして時々馬に乗った人々や野生のワシなどを見かけるようになる。
しばらくすると草原の向こうを走る列車が見えた(写真下)。ウランバートルを経由し、南は北京から香港まで、西はシベリア鉄道に接続して西欧まで鉄路は続いている。
草原の道なき道を進んでいくと、まれに上のような川にぶつかる。大きさは場所によってまちまちだが地元の人にとっても家畜にとってもオアシスそのもの。馬に水を飲ませたり、近くでは放牧された動物をよく見かける。モンゴルはどこも砂漠に草が生えたみたいなところだから当然といえば当然だ。暑い日には地元の子供が水浴びしていることもある。
小高い丘や道のはずれに石積の塔を見つけたなら、それは「オボ」と呼ばれる聖域。モンゴルの人はこの周りを三度まわることで旅の無事を祈るのだとか。場所によっては捧げられた羊の死体を見ることもある。かなり残酷に思えてしまうが、人の営み以上にモンゴルの自然は過酷だし、ここで生きなければならない遊牧民は、その分、天との会話や貢ぎ物を欠かさない。そして、天の異変が突然やって来るのは日常茶飯事だ。いきなり突風が吹きはじめたかと思うと、雷と大雨に追いかけられる。草原は何もない場所なので、馬とかに乗っていると容赦なくあちこちに落ちてくる雷はかなりの脅威となる。高地で空が近いからか、音も光もデカい。雨水は急激に集まり、突然巨大な濁流が流れてくる。恐怖は相当なものだ。現地の人は我々と違って、そんな気まぐれな天候の動きを素早く読む。主に雲の動きと風のにおいで判断するのだとか。こんな天国のような景色でも、気を許すと命に関わる現実がある。
遊牧民が住むテント型の住居「ゲル(写真上・中国ではパオという)」は、フェルトでできていて組み立てるのに半日とかからない。これで家畜が食べる牧草の状態などに合わせて草原を移動していくのが彼らの生き方。そんな草原生活の掟には、疑心暗鬼の都会暮らしと根本的に違うものがある。なんの前触れもなく知らない人のゲルを訪問したとしても、彼らは必ず暖かくもてなしてくれる。そして彼ら自身が草原を旅する時は、また見知らぬ誰かが彼らをもてなす。厳しい草原生活が生み出した助け合いの不文律だ。だからこそ生活用品の物々交換や情報のやりとりも滞りなくできるわけだ。
この記事へのメッセージ:1
- アルトウンプフ 2010年3月27日 00:52
故郷の写真をみてほんとに喜んでいます。
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